倫理学

ルールの役割について

「一概にA」という言い方 ケース1:長財布と知性 ケース2:秦王朝と官僚制 全称記号と存在記号 全称記号について 存在記号について 「一概にA」の話とどうつながるのか ルールの存在意義について 効率の観点から説明がつくもの 赤信号で渡ってはいけないとい…

何のせいだと考えやすいか

心の中の綱引き 個人の綱引きと集団の綱引き では結局どう考えれば綱引きは公平になるというのか 自分自身のことについてうまくいかないとき、その原因を考える。そのとき、自分にはどうにもできない要因(以下「要因A」とする)と、自分にはどうにかできる…

働き方改革もインフレターゲットもマイナス金利も意味ないんじゃないか

と思っている。問題はむしろ一部の人間がもっている莫大な資産*1が消費でなく銀行預金に回され、しかし預金に回されたところで消費の当てがなければその預金が融資につながることもなく、それでも銀行はやっていかなければならないので日本やアメリカの国債…

「拝啓、いつかの君へ」とマイケル・サンデル

先日、バイト先の塾の校舎でマイケル・サンデルの『これからの正義の話をしよう』のことが話題に上った。「上った」と言っても、話し相手の口から「あの本は面白いですよ」というセリフが出てきたというくらいのもので、私はといえば、その会話以来、「正し…

1275

昨日、自転車で通勤していると、信号で停車したときに前に止まっていたトラックのナンバーが「1275」だった。4桁の数字を見ると、四則演算を組み合わせて10にする…ということもたまにやるけれども、このときはそういう頭の体操みたいなことはしないで、私の…

ページの折れた辞書

高校受験のとき、一番行きたかった高校は偏差値が足りずに諦め、二番目に偏差値の高い高校を選んだ。その決断をする前に、自宅から5kmほども離れた最寄駅の脇にある書店で、一冊の英和中辞典を買った。その辞典は、私が行きたかった第一志望の高校で指定され…

客と椅子ときまり

今の憲法である日本国憲法は、戦後にアメリカから与えられたものであって、日本人が自ら贏(か)ち得たものではないということが、しばしば問題とされる。憲法というのは、或いはもう少し広く法というものは、自分たちで生み出すからこそ意味があるのであっ…

子どもと地震と日本

湊かなえの『告白』*1という作品を読んでいる。第2章まできて、学校が舞台になっていることがきっかけで、私の中で学校とか子どもについての見方が変わってきた。それについて考えたことを少し書こうと思う。そしてそれは、少し前に地震について考えていた…

iPhoneは普遍性をもつか

柄谷行人の『トランスクリティーク』*1を読んでいるせいか、普段の生活の中で、「普遍的なものとはなんだろう」とぼんやり考えることが増えた。時間と空間は普遍的な存在であると、とりあえずは言える。両者はいたるところで、常に、変わることなく存在し続…

ソーシャルメディアの反応と政府の反応

現代ビジネスで哲学者の内山節の記事を見つけた。 gendai.ismedia.jp 記事についていうと、テロ自体が正当化されることはないが、それを産み出した責任はヨーロッパやアメリカの側にもあるという事実を彼らが認めなければ、問題は完全には解決されないだろう…

日本でもフランスでもなく、ベルギーのとある地区からテロ事件を見るということ

今週出たニューズウィーク日本版*1の「この戦いは「文明の衝突」ではない」というタイトルの記事を見て、虐げられる側の立場の思いを汲み取ることの難しさということについて考えた。記事から少し引用しよう。 欧米でテロを行う「聖戦士」の特徴は今やおなじ…

パリでのテロについて、補足的に考えたこと

先日パリでのテロについて記事*1を書いた。そのあとで追加的に考えたことがある。それは「記憶」と関係するので、一つの独立した記事としてここに残そうと思う。 イスラム国と欧米諸国の対立は、「のびたの記憶」と「ジャイアンの記憶」の対立なのではないか…

わたしたちは他者を獲得できるのだろうか

昨日から今日にかけて、こういう動画を見た。 [full]島田雅彦 × 茂木健一郎 脳と文学〜茂木健一郎の講義 - YouTube この対談の中で、島田がいう「象徴システム」とは、ある個人や集団の実存を支えたり、その行動に動機を与えたり方向づけを行ったりするよう…

虹の色は何色か

「主観と客観の違い」というタイトルとどちらにしようかと迷ったが、私自身にとっては「虹の色は何色か」の方が、私個人の具体的な経験を思い出しながら考えやすいという理由でこちらを採用した。 高校生の頃、3年生のある日の英語の授業で、先生が「虹の色…

ある者は乗り越え、ある者は受け継ぐものについて

パリでテロが起こった。これについて書こうと思う。現時点での事件の概要は以下に引用する通りである。 フランスのパリで11月13日夜(日本時間14日早朝)、中心部のコンサートホールや北部のサッカー場などを標的とした同時多発テロ事件が起きた。死者…

私と物

都市に生きる人間は、人工的に作られた環境に囲まれて暮らしている。だから自分たちが自然の中から生まれてきたこと、或いは自然と連続性をもった存在であることを意識させられることがほとんどない。都市に生きる人々は、いつもいつも人間関係のことばかり…

多様性と構造と、それから個人

ここ数年、特に一企業や産業、或いは社会を論じる文脈で「多様性」(diversity)の重要性が強調されるのを目にすることが増えた。しかしその中の多くはビジネスに関するもので、多様性がイノベーションをもたらすとか、もうちょっと小利口な理屈をつけられて…

恐怖の原点はどこにあるか

霊、妖怪、化け物、エイリアン、モンスター…。国は違えど人間は恐怖の対象に形を与えずにはいられないものらしい。それは「形がない」(対象自体を認識できない)という事態を少しでも解消したいという欲望がそうさせるのではないか。それらは姿形が与えられ…

認証技術と私の意識と身体

Googleで私が私のiPhoneで「タミル語」と検索するのと、別の人間がその人のiPhoneで同じ語句を検索するとき、その2つは違うものだとみなされる。それぞれの検索履歴上に「タミル語で検索し、これこれのページを見た」という記録が残り、そこから先の検索で…

蛙の自我とはなんだろう

入浴中、蛙の自我について考えていた。「ニュートリノ」の自我について、埴谷雄高が考えていた*1のに触発されたのだろう。彼は考えた。たとえば人間が、「自分が自分であること」(自我)を意識するのは、何かにぶつかるからだ。何かにぶつかれば「ああ、今…

ロードバイクを買って思ったこと

ロードバイクを購入した。以前はネットで30000円クラスのものに乗っていたが、パーツ交換などでやたらお金がかかることもあって、ある程度値段のするちゃんとしたロードバイクを実店舗で買おうと考えた。 自分がここへきて突然のようにロードバイクの購入を…

私たちが対話の相手ではなく画面を見つめるようになって何が変わったか

高校生の現代文で出てくる評論の文章からは学べることがかなりあるのでたまに読み返してみたりする。昨日も若林幹夫「メディアと市民的公共性」という文章を読んだのだが、メディアと人間の関係について改めて考えさせられるいいきっかけになった。こういう…

「人間は変わらないさ」とアルゴリズムは考える

Feedlyで購読しているTechCrunchのサイトで「Past Behavior Does Not Determine Future Purchase」というタイトルの記事を見つけた。*1 タイトルを意訳風に訳すと「ネット上での過去の行動によって、これから買うものは決まったりしないよ」というところ。最…

ドラマ「いつかティファニーで朝食を」の第一話を見て

10月10日から日本テレビで始まったドラマ、「いつかティファニーで朝食を」の第一話をHuluで見た。あるシーンを見て吐き気がするほど気持ち悪いと感覚を抱き、一度見るのをやめてしまったのだが、「そんな風に何かを途中で投げ出したり切り捨てたりするのが…

「人工知能が人類を滅ぼす」論に潜む暗黙の前提についての違和感

【字数:2602字 目安:6分】 「ディープラーニング」(深層学習)を中心とした人工知能に関する議論が最近国内でも流行っている。雑誌や週刊誌でも特集が組まれることが多いし、だいたいそこでは松尾豊さんとか小林雅一さんあたりを中心に記事が載っている。…

電車の中のセル・オートマトン

【432字 目安:1分】 電車の中で、音出してスマホのゲームしてるヤンキーみたいな格好した若いあんちゃんがいて、シャンシャンシャンシャン音がうるさいから直接言おうかと思ったけど、今日はできなかった。 彼は他の人に言われることもなく、したがって自分…

新聞とテレビについて

メディアの偏向報道が取りざたされることが増えた。いつからか。安倍政権になってからか?安倍政権はイカれてるのだろうか?私としては正直そんなことはどうでもいい。というより、そういう捉え方で実りある議論が成り立つとは思えず、あくまで自分が解決に…

「かわいそう」と「ひいてる」の使い方

「かわいそう」という言葉は、「かわいそうだ」と思う人のいるその場で使ってはいけないんだと思う。「かわいそう」という言葉もまたその人を傷つける。 同じように、「〜さんひいてるじゃん」という言い方も、その「ひいてる」ように見える人のいるその場で…

群選択における群の階層

「群選択」(group selection)という言葉を使う場合、通常は自分個人ではなく、自分の所属する集団にとって望ましい選択とされる。気になるのはこの「自分の所属する集団」というところで、互いに階層の異なる複数の集団にある個人が所属している場合、個人…

陰謀論はどうしてこんなに流行るのか

政権批判の材料として、しばしば「陰謀論」(conspiracy theory)が語られる。 現政権は〜しようとしているのではないか?(主観的な確率20%) →〜しようとしているしたら◯◯や△△にも合点がいく(勝手に確率50%を上回る) →◯◯や△△は現政権が〜しようと…