2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

DNAコンピュータの哲学

去年の4月から7月にかけて、東大の教養学部後期過程の学部聴講生をやっていた。その頃「生体高分子科学」という授業を受けていた。内容はDNAコンピュータの原理を扱うもの。 世間では「コンピュータ」と言えば電子コンピュータか、せいぜい量子コンピュータ…

見えないものを見ること To See What Can't Be Seen

小さい頃にシャーロック・ホームズや名探偵コナンに熱中した。その頃から自分の推理小説好きが始まった。 足を見ただけで依頼者がどこから来たかを当てるホームズに感心し、自分も同じ様に、ほんの些細なことから全体像を正確に見てとる観察眼、洞察力を得ら…

『俺のダンディズム』を見ていて思うこと On the Drama "Ore no Dandyism (My Dandyism)"

4月からのドラマは珍しく気になるものが2、3あるから欠かさず見ている。そのうちの一つに『俺のダンディズム』がある。(ちなみに他には『ブラック・プレジデント』ともう終わってしまった『ロンググッドバイ』がある。) さて主人公はファッションセンスの…

この自分と他の自分たち This 'Me' and the Other 'Me's

たまに自分のこれまでを振り返るときがある。 もし現役の時に九大に受かってたら、 もし現役の時にもっと早く京大を目指して勉強していたら、 もし小学生の時に、親に遠慮しないでライバルみたいな存在だった友達と同じ塾に入っていたら…。 そんな色んな「Wh…

ブックオフでの査定と情報処理

近頃、この先も読みそうになさそうだと思う本はブックオフでどんどん売るようになった。そもそもどうしてこの本を買ったのだろう、その当時の自分がわからない、ということもままある。それでも、査定が終わって金額を確認するとき、こんなに安い値段しかつ…

情けは人の為ならず、の逆 The Reverse of the Saying "One good turn deserves another."

「情けは人の為ならず」という言葉がある。 他人のためと思ってかけた情けは、巡り巡って自分のもとに返ってくる、そういう意味の言葉だけど、今日は仕事の帰り、電車に乗っていてその逆に遭遇した。 つまり、自分のためと思っていることが、結果的には他人…

真似と新しさ

何かを学ぶときには、どうしても誰かや何かを真似なければならないけど、人がしゃべることのほとんどは、これまでに誰も喋ったことのない文になっていることを合わせて想起するなら、新しいものは結局のところ組み合わせの産物、掛け算の産物なんだなとしみ…

オレンジとリンゴ

人の好みはそれぞれ。蓼食う虫も好き好き。There's no accounting for tastes.一個のオレンジが、それ自体としてどれほど優れていたとしても、それはあくまでオレンジであってリンゴではない。たとえばそれがとても洗練されたオレンジであったり、崇高なオ…

アイデンティティ

「アイデンティティ(identity)」という言葉がある。一般的には心理学の分野で訳される、「自己同一性」の意味で使われることが多いが、数学の分野では「恒等式」の意味で用いられる。恒等式というのは、ある特定の変数にどんな値を代入しても、左辺と右辺…

スクランブル交差点、或いは休日のスーパー

人混みの中を、できるだけ誰かとぶつかることがないようにしながら歩いていくとき、まるでそれが自分と他人との関わり方を象徴的に示している様に思えてくるときがある。誰ともぶつからない様に歩くためには、色々な「工夫」が必要になる。自分が歩くスピー…