25歳

自分の中のある部分

自分の中に、「ここは変えなければ駄目だ」と思う部分がいくつかある。そこが変わらないままであったら、たぶんいつまで経っても、自分が望む、世の中のある種の人間たちとはうまく付き合い続けることができないんだろうなと思わせるような、そういう部分が…

丁寧にするということ

塾で生徒に勉強を教えていると、教えることを通して逆に教えられるということがよくある。 「習うより慣れろ」式に、とにかく量をこなして解き方を頭にすりこんでいくタイプの学習法をやるタイプの子は、模試のときだけでなく、定期テストでも、解いたことの…

対話を通じてなにか伝えるということ

「伝える」というのは、つまり何をどうすることなのだろうと考えることがある。 たとえば書店で、平積みされた広告関係のビジネス書の表紙に、「伝え方のルール30」みたいな表現があったりするのを目にしたとき。 たとえば塾で、中学生や高校生に、数学の問…

箱に答えが載ってないジグソーパズルについて

ジグソーパズルは、普通箱に答えが載っている。モンサンミッシェルの写真、ミッキーのキャラクターたちが勢ぞろいした画像、金閣寺などなど、パズルを始める人は、答えを知ってしまっている状態でピースを並べていく。これを「ジグソーパズルN」と呼ぶことに…

問題と解答はホモトピー?

最近にわかに海外ドラマにハマり、ここ1週間は『ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル』を見続けている。尤も、これは海外ドラマにハマっているのか、それとも数学の色んな応用事例に興味があるということのか、錯綜していてよくわからない部分があるけれど…

誰が言うかと何を言うかを比べるのはナンセンス

先日こんな記事を目にした。 「誰が言うか」と「何を言うか」問題について - Letter from Kyoto 「誰が言うか」と「何を言うか」問題について - Letter from Kyoto これは以前からよく目にする議論で、「何を言うかよりも、それを誰が言うかの方が重要だ」と…

確率をめぐる人間とコンピュータの関係

確率(probability)について、近頃漠然と感じることがある。 個人の頭の中では処理できないくらい、多くの情報が関わって決定されるような現象は、たとえそれが原理的には確定的(deterministic)なものであろうとも、その人にとっては「運」とか「確率」の…

言ってることが一貫してない人

「あれ、この人前には○○って言ってたのに、今は△△って言ってる。どっちの立場なんだ?」ということに、日常生活の中でたびたび遭遇する。 それについて、「どうして人は発言が首尾一貫していないことがあるのか?ただの気まぐれなのか。それとも前とは状況が…

辞書から見えてくる社会

辞書には、その時の社会が、色々なことをどんな風に捉えているのかが映し出されている。だから、辞書はある意味で、社会を映す鏡であると捉えることができる。 数学的に言うならば「ある種の写像(mapping)の集合体が辞書である」ということになる。個人的…

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(1巻)を読んで

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 1 (ビッグコミックススペシャル) 作者: 浅野いにお 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2014/09/30 メディア: コミック この商品を含むブログ (6件) を見る 買いました。グノシーで下の記事を見てどうも気にな…

昨夜から起きているちょっとした変化

昨夜、仕事帰りに彼女と3ヶ月ぶりくらいに「タロー」(大森)に食べに行った。そこで2年ぶりくらいに「マゼタロー」(油そば)を食べたのだが、以前はかなり苦労して食べきったのに、昨夜は信じられないくらいさらっと完食してしまった。 店を出て彼女と駅の…

マッチングってなんだろう

テクノロジーが進歩しても、買いたい人と買いたいモノのマッチングは未だに洗練されていないと感じる。 最近はこのマッチングにも科学的な視点が活用される部分が増えてきた。いや、「浸透してきた」と言った方が正確かもしれない。ニューロマーケティング、…

結局のところ、「問題を解く」というのは何をどうすること?

(画像はA3 Problem Solving Workshops for Manufacturers in South Carolinaより転載) 台風19号ヴォンフォンの接近で雨が激しくなっている。そして下の階からはゴトゴトと音がし続けている。何が起きているんだろうか…。 情報処理(information processing…

コンピュータの誕生を促したもの

ジョージ・ダイソン『チューリングの大聖堂』を読み始めた。アラン・チューリングが考え出した「チューリング・マシン(Turing Machine)」という、実体のない純粋な概念を、フォン・ノイマンがどうやって形のあるものとして実現したかというところに関心を…

粘土と折り紙に教わるビッグデータの処理

「TEDで面白いスピーチないかなー」と思って探していたら、こんなスピーチを見つけた。 Kenneth Cukier: Big data is better data | Talk Video | TED.com 少し脱線するが、ここで個人的には面白いことがひとつ起きた。「ん?ケネス・クキエ?どっかで見たこ…

Googleの整理と私自身の整理、私にとってはどちらがしっくりくるか?

(写真は秋田県にある国際教養大学の図書館。http://web.aiu.ac.jp/library/about/messageより転載) Googleは「世界中の情報を整理する」ことをミッションとして掲げているが、それについてたまに考えることがある。 ちなみに先日これと似たようなテーマの…

タンパク質と脳はどちらが賢いか

(画像はthe traveling salesman problem challenge for cheeseheads | Punk Rock Operations Researchより引用) 「P≠NP問題」というのがある。「NP問題」というのはNon-Polynomial(非多項式)、つまりある多項式で表される時間以内では多くの解答の候補の…

理屈のような物語と、物語のような理屈

漠然と考えていたことについてのツイートから話を始めようと思う。 アナロジーということについて、最近ふと気付いたこと。日常的なことをアナロジーとして科学の事柄を説明するのは抵抗ないけど、科学的な知見をアナロジーとして日常のことを説明するのには…

幼なじみと付き合い続けるということ

「幼なじみと付き合い続ける」ということは、例えば高校や大学以降で知り合った人と付き合い続ける、ということとは違った意味がある。 「高校や大学以降で知り合った人」というのは、義務教育を終え、自分で進路を選択し、自分の学力や気質をふまえて選んだ…

言葉やイメージを使わずに何かを達成するということ

(Why copywriters should love network science | Online Ventures Groupより転載) 近頃この辺のテーマについて考える時間が増えている。 先日の記事で紹介したハキリアリ、モジホコリ、ニューロンなど、それ自体はしごく単純なものが、とんでもないことを…

自分の中で、自分について「見えているところ」と「見えていないところ」

(画像は葉酸補酵素結合型ヒトTタンパク質の立体構造と、高グリシン血症で同定された変異部位。以下のサイトより転載:http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2005/050708/) 自分の意志で何かを決めるというとき、或いはなんとなく…

人気があることを知りたいわけではなくて、あくまで面白いものを知りたい

(画像掲載元:http://smmlab.jp/?p=24586) 「人気のあること」が目立つようになっているネットの世界では、「自分の好きなもの」に出会えないことも少なくない。いや、正直に言うと、人気のあることほど、つまらなかったりする。興味のないことで溢れかえ…

人やコンピュータでなく、ネットワークに問題を解決させるということ

ジェフ・スティベル『ブレークポイント』を読み進めていて、もう少しで終わり…というところまでやってきた。英語の方でどんな単語が使われているのか気になるので、近々英語でも読んでみようとも思った。 「第11章 結び シロアリ 絶滅」で、「ハキリアリ」(…

歌があなたを代弁しているのか、それともあなたが歌を演じているのか

Twitterでの色々なツイートや、Facebook上の投稿などを見ていると感じるのだけど、誰かの歌(の歌詞)の影響を受けていることが明らかで、怒濤のように感傷的なポエムを量産していたり、せっせと「報われない、悲劇的な人生を、それでも生きる自分」をアピー…

理論家と脚本家

人と話をしているとたまに感じることがある。 ああ、自分が考える筋書きの中でしか、人は生きられないし、理解することもできないし、現実を受け入れることもできないんだなあ、と。 自分が想像できる筋書きの範囲で現実を捉え、想像できる筋書きの範囲で自…

点と点をつなぐこと

①東浩紀さんの『弱いつながり 検索ワードを探す旅』*1 弱いつながり 検索ワードを探す旅 作者: 東浩紀 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2014/07/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (22件) を見る ②大澤真幸さんの「ランダムな線を引く」、或いは「…

日本でベンチャーが根付かない本当の理由

「アテンション・エコノミー(attention economy)」という言葉がふと頭に浮かんで、そういえば田端信太郎さんがこの言葉を使ってたなと思い、岡田斗司夫さんと田端さんの対談の動画を見始めたのが「そもそものきっかけ」だった。 岡田斗司夫×田端信太郎対談…

宗教を信じていなくても

(写真はWikipediaの「トーテムポール」の記事より引用) 公開される記事に宗教のことを書くのは避けるべきなのかもしれないけれど、あえて書こうと思う。近頃働いていてよく感じることについて。 「 いいか、観客はみんなカボチャだと思え。」について 宗教…

多数決の適切なサイズは存在するか

中学生のころに学級委員をしていて、クラスで多数決を取ることがあった。自分は教室の前方、教壇の位置に立って、手を上げた人の数を数え、黒板に正の字を書いていく。 そこから見えるのは、顔と名前を知っていて、話したこともある人間たちだけだった。クラ…

専門が複数にまたがる問題

大学にいたころ、開発経済学の授業ノートを友達に借りたことがあった。それを片っ端から読んでいると「緑の革命(Green Revolution)」について書いてある箇所があった。そこでは「緑の革命」が、途上国の経済発展にどのような恩恵をもたらしたかということ…