数学
最近ナシーム・ニコラス・タレブ(Nassim Nicholas Taleb)の"Antifragile"が翻訳され、『反脆弱性』というタイトルで出版された。出てからひと月以上経つが、さてこの本をどういう文脈で読もうかと考えていると、アンドリュー・ゾッリ(Andrew Zolli)の『…
現在作成中で未完成ですが、現時点で公開しても役に立つという人がいるかもしれないので、一応公開しました。今後も作業を進め、完成を目指したいと思います。海外のサービス、サイト、企業などはカタカナ表記とし、アルファベットでなく五十音順で配置しま…
アナロジーと等価性 実存から構造へ 他の誰かが通った道 歴史と出会い 浪費と出会い 技術がもたらす出会いの形式 出会いとは別の道 アナロジーと等価性 数学では、マイナスにマイナスをかければプラスになる。このことは環(ring)と順序(order)の基本性質…
意外に思われるかもしれないが、個人が喋ることのほとんどは、それまでに誰も話したことのない文によって成り立っているという研究がある。また、歌詞の一部をローマ字に変えただけのものや、英語の名言を使ったものなど、インターネット上にある言葉を使っ…
「主観と客観の違い」というタイトルとどちらにしようかと迷ったが、私自身にとっては「虹の色は何色か」の方が、私個人の具体的な経験を思い出しながら考えやすいという理由でこちらを採用した。 高校生の頃、3年生のある日の英語の授業で、先生が「虹の色…
塾で授業をしていてふと思ったことがある。「方程式に数値を代入する」という考え方は、もともと人間の中に「自分だったらどうか」とか「あのときこうだったら今どうなっていたか」と想像してみる能力があったから生まれたのではないか。逆にいえば、そうい…
2ヶ月以上も更新していなかった。今年は割とちゃんと記事を書き続けてきたものの、最近になって急に記事を書く気がなくなってしまっていた。いろいろと悩んだりすることもあり、精神的に停滞しきっていた。 それでもひょんなことがきっかけであっさり元通り…
人間と機械 ある通念とそれに対する懐疑 最も機械らしい存在としての人間 部品の数 集合で考える (中国の食品工場の生産ラインの一部。出典:中国北京の食品工業:燕京ビール公司・三元食品公司;鳥飼行博研究室) 人間と機械 ある通念とそれに対する懐疑 人…
自分の頭とシステム上の記録 時間 検索エンジンの基本を振り返る 結局どれが一番効率的か 自分の頭とシステム上の記録 「どの範囲から何を引き出すか」というのはけっこう難しい問題で、自分自身はどうかということを振り返っていくつかに分類してみると、次…
【509字 目安:1分】AならばBが成り立つとき、BだからといってAとは限らない。日本人だから人間だ、が成り立つからといって人間であれば日本人であるとは限らない。能力や人格が優れた人ならばお金をたくさん稼げる、が成り立つからといって、たくさん稼げた…
【1462字 目安:2分】 名前からして当然といえば当然なのかもしれないが、情報処理の効率性についての研究が一番進んでいるのはやっぱり情報科学の分野だろう。 情報処理に使う「要素」の数の多さに対する効率性という点で。 この分野の技術進歩は著しく、今…
近頃、塾の生徒を教えるのに高校の化学を学んでいて、「コロイド」(colloid)というのを知った。大きいものが小さいものに溶け込んでいる物質の状態を指すもので、その「大きいもの」のサイズは直径1nm〜100nmの粒子(コロイド粒子という)で、この大きさの…
トピック「本屋」について、幾つかの本をもとに「天気」について考えていることを書いてみようと思う。 天気といえば、国境などおかまいなしに広がって刻々と変化していて、ある時ある国の上空にあった雲が、風に流されて他の国の上空に移動したり、あるいは…
現代思想 2015年1月号 特集=現代思想の新展開2015 -思弁的実在論と新しい唯物論-作者: 千葉雅也,中沢新一,大澤真幸,赤坂真理,クァンタン・メイヤスー,フィリップ・デスコラ,篠原雅武,重田園江出版社/メーカー: 青土社発売日: 2014/12/27メディア: ムックこの…
人間に関するシステムを考える場合に、規範的(normative)なものを考えるか実証的(positive)なものを考えるかということについて考える。 経済学(Economics)はよく「社会科学の女王である」と言われる。「社会科学」(social science)という言葉には「…
人工知能(AI)についての動画を見た。 動画の後半で、人工知能について考えることを通じて、人間は自分たちがどんなルールに基づいて生活しているのかについて反省する機会を得ることができる、再考を迫られる、そういう側面があるというようなことについて…
いまや卒業式の定番となった合唱曲「旅立ちの日に」(作詞:小嶋登 作曲:坂本浩美)を、ひょんなことがきっかけで久しぶりに聴いた。 中学生の頃、音楽の時間に練習したこと、音楽の先生の伴奏、恥ずかしがって最初はちゃんと声を出して歌えなかったこと、…
例によって、全く関係のなさそうなことから始まって、いつの間にか本題に移っている、そんな構成の文章になってしまった。※この一文は冒頭にあるが、順序としては途中に書かれた。 年末年始にかけて、実家にも帰らずに自宅にずっとこもっていた間、勉強をし…
塾で生徒に勉強を教えていると、教えることを通して逆に教えられるということがよくある。 「習うより慣れろ」式に、とにかく量をこなして解き方を頭にすりこんでいくタイプの学習法をやるタイプの子は、模試のときだけでなく、定期テストでも、解いたことの…
「伝える」というのは、つまり何をどうすることなのだろうと考えることがある。 たとえば書店で、平積みされた広告関係のビジネス書の表紙に、「伝え方のルール30」みたいな表現があったりするのを目にしたとき。 たとえば塾で、中学生や高校生に、数学の問…
ジグソーパズルは、普通箱に答えが載っている。モンサンミッシェルの写真、ミッキーのキャラクターたちが勢ぞろいした画像、金閣寺などなど、パズルを始める人は、答えを知ってしまっている状態でピースを並べていく。これを「ジグソーパズルN」と呼ぶことに…
最近にわかに海外ドラマにハマり、ここ1週間は『ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル』を見続けている。尤も、これは海外ドラマにハマっているのか、それとも数学の色んな応用事例に興味があるということのか、錯綜していてよくわからない部分があるけれど…
先日こんな記事を目にした。 「誰が言うか」と「何を言うか」問題について - Letter from Kyoto 「誰が言うか」と「何を言うか」問題について - Letter from Kyoto これは以前からよく目にする議論で、「何を言うかよりも、それを誰が言うかの方が重要だ」と…
確率(probability)について、近頃漠然と感じることがある。 個人の頭の中では処理できないくらい、多くの情報が関わって決定されるような現象は、たとえそれが原理的には確定的(deterministic)なものであろうとも、その人にとっては「運」とか「確率」の…
辞書には、その時の社会が、色々なことをどんな風に捉えているのかが映し出されている。だから、辞書はある意味で、社会を映す鏡であると捉えることができる。 数学的に言うならば「ある種の写像(mapping)の集合体が辞書である」ということになる。個人的…
テクノロジーが進歩しても、買いたい人と買いたいモノのマッチングは未だに洗練されていないと感じる。 最近はこのマッチングにも科学的な視点が活用される部分が増えてきた。いや、「浸透してきた」と言った方が正確かもしれない。ニューロマーケティング、…
(画像はA3 Problem Solving Workshops for Manufacturers in South Carolinaより転載) 台風19号ヴォンフォンの接近で雨が激しくなっている。そして下の階からはゴトゴトと音がし続けている。何が起きているんだろうか…。 情報処理(information processing…
ジョージ・ダイソン『チューリングの大聖堂』を読み始めた。アラン・チューリングが考え出した「チューリング・マシン(Turing Machine)」という、実体のない純粋な概念を、フォン・ノイマンがどうやって形のあるものとして実現したかというところに関心を…
「TEDで面白いスピーチないかなー」と思って探していたら、こんなスピーチを見つけた。 Kenneth Cukier: Big data is better data | Talk Video | TED.com 少し脱線するが、ここで個人的には面白いことがひとつ起きた。「ん?ケネス・クキエ?どっかで見たこ…
(写真は秋田県にある国際教養大学の図書館。http://web.aiu.ac.jp/library/about/messageより転載) Googleは「世界中の情報を整理する」ことをミッションとして掲げているが、それについてたまに考えることがある。 ちなみに先日これと似たようなテーマの…