内省

正しいことは多数決で決められるか

近頃、大衆(mass)や世論(public opinion)、公衆(public people)という言葉に敏感になっている。それらの言葉をもとにいろいろ想像力をはたらかして、考えることが増えた。たとえば下の記事もそのきっかけのひとつである。 <a href="http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41776" data-mce-href="http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41776">SmartNews鈴木健【第2回】「</a>…

情報化時代で問題になるのは「意識」だと思う

「無意識」について考えていて、そこから発展した、情報化と意識の関係についての考えを書いてみようと思う。 人間が普段やっている判断の9割以上は無意識によって決定されている、と言われる。人間というのはともすると、「意識してものを考えたり感じたり…

頻度と思い出をつなぐもの

いまや卒業式の定番となった合唱曲「旅立ちの日に」(作詞:小嶋登 作曲:坂本浩美)を、ひょんなことがきっかけで久しぶりに聴いた。 中学生の頃、音楽の時間に練習したこと、音楽の先生の伴奏、恥ずかしがって最初はちゃんと声を出して歌えなかったこと、…

よい面を活かすことのむつかしさ

アニメ「もやしもんリターンズ」の第10話を見ていて思ったことを書いてみようと思う。 そこではワイン作りについて登場人物が会話するシーンがあるのだが、そのシーンを見ていて、 「ああ、何かを科学的に営むというにしても、結局それが人間の手によるのだ…

言葉と冗長性

例によって、全く関係のなさそうなことから始まって、いつの間にか本題に移っている、そんな構成の文章になってしまった。※この一文は冒頭にあるが、順序としては途中に書かれた。 年末年始にかけて、実家にも帰らずに自宅にずっとこもっていた間、勉強をし…

迷路の壁と、道を選ぶ人間

四角を書いて、その左上と右下に2つ点をとり、片方の点からもう片方の点へ行くにはどうすればいいかという問題を考える。この答えは単純で、2点を直線で結べばいい。 次はそこに、壁を置いてみる。するとまっすぐは進めなくなって、進み方は制限される。壁…

本が読めないのは何が原因か

26歳になって初の投稿は、読書について。 近頃、前に比べて読んでいる本の内容が頭に入ってきにくくなった。 それは本の内容が面白いかどうかということよりも、むしろ自分の側の集中力が衰えているからなんじゃないかという気がしている。どうしたものか。 …

自分の中のある部分

自分の中に、「ここは変えなければ駄目だ」と思う部分がいくつかある。そこが変わらないままであったら、たぶんいつまで経っても、自分が望む、世の中のある種の人間たちとはうまく付き合い続けることができないんだろうなと思わせるような、そういう部分が…

丁寧にするということ

塾で生徒に勉強を教えていると、教えることを通して逆に教えられるということがよくある。 「習うより慣れろ」式に、とにかく量をこなして解き方を頭にすりこんでいくタイプの学習法をやるタイプの子は、模試のときだけでなく、定期テストでも、解いたことの…

箱に答えが載ってないジグソーパズルについて

ジグソーパズルは、普通箱に答えが載っている。モンサンミッシェルの写真、ミッキーのキャラクターたちが勢ぞろいした画像、金閣寺などなど、パズルを始める人は、答えを知ってしまっている状態でピースを並べていく。これを「ジグソーパズルN」と呼ぶことに…

誰が言うかと何を言うかを比べるのはナンセンス

先日こんな記事を目にした。 「誰が言うか」と「何を言うか」問題について - Letter from Kyoto 「誰が言うか」と「何を言うか」問題について - Letter from Kyoto これは以前からよく目にする議論で、「何を言うかよりも、それを誰が言うかの方が重要だ」と…

言ってることが一貫してない人

「あれ、この人前には○○って言ってたのに、今は△△って言ってる。どっちの立場なんだ?」ということに、日常生活の中でたびたび遭遇する。 それについて、「どうして人は発言が首尾一貫していないことがあるのか?ただの気まぐれなのか。それとも前とは状況が…

昨夜から起きているちょっとした変化

昨夜、仕事帰りに彼女と3ヶ月ぶりくらいに「タロー」(大森)に食べに行った。そこで2年ぶりくらいに「マゼタロー」(油そば)を食べたのだが、以前はかなり苦労して食べきったのに、昨夜は信じられないくらいさらっと完食してしまった。 店を出て彼女と駅の…

結局のところ、「問題を解く」というのは何をどうすること?

(画像はA3 Problem Solving Workshops for Manufacturers in South Carolinaより転載) 台風19号ヴォンフォンの接近で雨が激しくなっている。そして下の階からはゴトゴトと音がし続けている。何が起きているんだろうか…。 情報処理(information processing…

理屈のような物語と、物語のような理屈

漠然と考えていたことについてのツイートから話を始めようと思う。 アナロジーということについて、最近ふと気付いたこと。日常的なことをアナロジーとして科学の事柄を説明するのは抵抗ないけど、科学的な知見をアナロジーとして日常のことを説明するのには…

幼なじみと付き合い続けるということ

「幼なじみと付き合い続ける」ということは、例えば高校や大学以降で知り合った人と付き合い続ける、ということとは違った意味がある。 「高校や大学以降で知り合った人」というのは、義務教育を終え、自分で進路を選択し、自分の学力や気質をふまえて選んだ…

理論家と脚本家

人と話をしているとたまに感じることがある。 ああ、自分が考える筋書きの中でしか、人は生きられないし、理解することもできないし、現実を受け入れることもできないんだなあ、と。 自分が想像できる筋書きの範囲で現実を捉え、想像できる筋書きの範囲で自…

日本でベンチャーが根付かない本当の理由

「アテンション・エコノミー(attention economy)」という言葉がふと頭に浮かんで、そういえば田端信太郎さんがこの言葉を使ってたなと思い、岡田斗司夫さんと田端さんの対談の動画を見始めたのが「そもそものきっかけ」だった。 岡田斗司夫×田端信太郎対談…

宗教を信じていなくても

(写真はWikipediaの「トーテムポール」の記事より引用) 公開される記事に宗教のことを書くのは避けるべきなのかもしれないけれど、あえて書こうと思う。近頃働いていてよく感じることについて。 「 いいか、観客はみんなカボチャだと思え。」について 宗教…

多数決の適切なサイズは存在するか

中学生のころに学級委員をしていて、クラスで多数決を取ることがあった。自分は教室の前方、教壇の位置に立って、手を上げた人の数を数え、黒板に正の字を書いていく。 そこから見えるのは、顔と名前を知っていて、話したこともある人間たちだけだった。クラ…

専門が複数にまたがる問題

大学にいたころ、開発経済学の授業ノートを友達に借りたことがあった。それを片っ端から読んでいると「緑の革命(Green Revolution)」について書いてある箇所があった。そこでは「緑の革命」が、途上国の経済発展にどのような恩恵をもたらしたかということ…

とあるイタリアンのお店にて

今日はテスト直前の中学生の勉強を見にバイト先の大森へ行ってきた。昨夜の終礼のときに同僚が「明日来てくれた人にはラーメン奢っちゃうよ?」と言ったのがきっかけで、これはもう即決だった。笑 生徒たちはけっこうがんばって各科目の勉強をしていて、自分…

記憶

この動画(※オリジナルの映像は1982年のもの)を時間を置いて繰り返し見ている。何度観ても飽きることがない面白さ。 小説家の安部公房さんと分子生物学者の渡邊格さんの対談。 安部公房 ・渡邊格 対談完全版 - YouTube この動画を観ていて考えること・テー…

忘れもの

あれやこれやといくつも話したいことがあったのに、いざ彼女を前にすると「あれ、何を話そうとしていたっけな。」と思う。そして彼女の家を出た後に思い出す。ああ、そうだった、と。 小学校の頃の通信簿。先生のコメントは「○○くんは落とし物と忘れ物が多い…

「海藻を消化できる日本人」から考える伝言ゲーム

もはや誰から聞いたのかも忘れてしまったが、2、3年前くらいに「日本人は海藻を消化する特有の能力を持っているらしいよ。」みたいなことを聞いた。 それから今に至るまでの間に、他の人からも同じことを聞くことが何回かあった。 社会の中で、自分の知らな…

25歳

25歳という歳は、「もう子供じゃないんだなあ。」とか「大学生でもないんだなあ。」とか「大人になるってこういうことなのかな。」みたいなことをあれこれ考える過渡期のような時期に当たるんだろうか。自分はそういうことをよく考えるようになった。 もちろ…

憧れのあの人

今週のお題「憧れの人」 憧れのあの人は、大学のときに知り合った。その人は教室の後ろにあるコンセントで携帯の充電をしていた。それが始まり。ゆっくり話ができたのはたったの2回。2回とも映画を観た。その隙間を埋めるようにやりとりされたメールは自分の…

心にゆとりがないと

心にゆとりがないと、自分に向けられた言葉に悪意を感じてしまいやすくなる。 心にゆとりがないと、悪意のある言葉を相手に向けやすくなる。 相手に悪意があるのは相手の方に責任があるとしても、それに敏感に反応してしまうのは自分の心にゆとりがないから…

炭水化物とコンビニと、データ解析

炭水化物とコンビニと、データ解析について、お互いに関連のなさそうな三者ではあるが、自分の頭の中ではまとまっている、そんなことを書いてみようと思う。文章という形式でもうまくまとまるといいのだが・・・。 まずは炭水化物から。本も紹介しつつ。 こ…

さいころを1回しか振れないとしたら、私たちはどうやって1の目が出る確率が6分の1であると言えるのだろうか

最長のタイトル。笑 先日の小銭の問題に触発されたのだろう、確率の問題について抽象的なところに関心が向くことが増えて、近頃漠然と考えていることを書いてみようと思う。 ちょっと前の自分のツイートから始めようと思う。 さいころを振る時に、各々の目が…