とあるイタリアンのお店にて
今日はテスト直前の中学生の勉強を見にバイト先の大森へ行ってきた。昨夜の終礼のときに同僚が「明日来てくれた人にはラーメン奢っちゃうよ?」と言ったのがきっかけで、これはもう即決だった。笑
生徒たちはけっこうがんばって各科目の勉強をしていて、自分は高校の生物の教科書を読みつつ、生徒に質問されると理科や数学の問題の解説をした。イオンや2次関数の質問が多かった。
6時半ころには校舎を閉めて生徒も帰り、同僚と駅前まで歩いた。とんこつラーメンを食べるつもりだったものの、これといっていい店も思い浮かばず、「別にラーメンでなくてもなんでもオッケー」と言うので、以前から気になっていたイタリアンの店に行くことにした。(このお店はかなりおいしかったので、紹介はできません。笑)
同僚とももう4年以上の仲なので、マンガやアニメ、ドラマから本の話、校舎の話、互いの昔話、これからどうやって生きていくのかの話など、色々な話をしてきたけれど、やっぱり「その時やその歳になってみなければできない話」というのも確かにあって、今日はそういう話もした。今後の話ではあるものの、去年とは違う語り方になるし、一昨年ともそれは違うし、来年の今頃もたぶん今日とは違う語り方をしているんだろうと思う。そういう意味で「その時になってみなければできない話」だった。
先日もこういうテーマの記事を書いたけれども、大学を卒業してしまうと、もうそれまでのように、歳の同じ誰にでも共通するわかりやすい「時間の区切り」「節目」はなくなって、20代、30代、アラサー、アラフォーの様な漠然とした区切りがあるだけになる。
「25歳のリアル」「28歳のリアル」、という様な表現も目にするけれども、それは幾分か恣意的なものだ。各自が自分の中で色々な節目を感じはするだろうけれど、それは高校を3年で卒業し、大学を4年で卒業するという様な節目とは意味が違う。結婚の年齢も人それぞれだ。
会社の中では同期の社員同士はある程度は同じ様に昇進し…という形で同じリズムがあるようでもあるけれど、それも先ほどの節目とはやはり違う。
自分の好きなリズムを刻めたらいいのかもしれないけれども、そういうことはむしろまれで、どうも遅れてしまいがちになる。このリズムで進むためにはあの場所を確保しなければならない、という椅子取りゲーム状況になりがちで、自分の座る椅子を確保し損なう人の方がきっと多いんだろう。人生思い通りにトントン拍子に進んだりはしないもんだよ、と。
拍子はどこかでずれてしまう。しかも「ここでずれたくはなかった」と思う場所で。
イタリアンのお店で料理を出してくれた人は、一品ずつ丁寧に料理の説明をしてくださって、メニューにないワインも勧めてくださったりもした。「行き届いた」という表現はこの人のために使うといいんだろうなと思わされる、丁寧な仕事ぶりだった。料理もワインもおいしかった。
「リズム」という言葉を使うと連想するのがこの辺の「同期(synchronicity)」についての本で、久々に読み返したくなった夜だった。
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思えば彼女以外の人と、日曜の夜に何かを食べながらゆっくりと話をするのは久しぶりの出来事で、その同僚と二人してゆっくり話をしたのも久しぶりだった。このリズムは何によって決まったものなのか、やはり気になってしまう。財布の事情なのか、自分の人付き合いに関する慣性のようなものなのか、自分が日曜に校舎へ行こうと考える要因(やはりラーメン、というか食べ物に釣られて?)なのか。
相手と話す時間が空けば空くほど、その人とは話をしなくなっていく。「話す」の代わりに「会う」や「メールする」というのを入れても事情は同じ。ブランクの長さに反比例して行動を起こす確率が低下する。アルバート=ラズロ・バラバシ『バースト! 人間行動を支配するパターン』では「バースト現象(burst phenomenon)」、最近読んだ矢野和男『データの見えざる手 ウェアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』では「1/Tの法則」に当たる。
今、リズムが気になる。
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