以前のこと

美容院を変える客と囚人のジレンマ

もう一年以上前のことになるが、私が使っている美容院でスタイリストの方と話したことを書こうと思う。ちょうど今日、久々にその店でまた髪を切ったのだが、別のスタイリストの方とこの話をして、以前より話の筋がまとまったので、文章にすることができるだ…

小説の好みと絵の好み

重松清と百田尚樹 重松清と百田尚樹を同列に語れるのかどうかはわからないが、私は以前から、どちらの作家も好きになれない。重松清は毎作毎作感動させようとしてくる感じが露骨で冷めてしまい、百田尚樹はイデオロギーむき出しな感じが冷めてしまう。感動自…

住宅街と図書館と、それから地球儀:モデルの意味

ロードバイクで住宅街の中を走っていると、自分のいる道と交差する道が次から次へと現れる。それぞれの道は自分のいる場所からずっと奥に向かって伸びており、その両側にはたくさんの家が立ち並んでいる。 小さい頃、図書館で本を読み漁っていたとき、あるい…

路線図:駅:街→私

(東京の路線図。なんとまあ複雑なことよ。) はじめに言っておくと、この記事は路線図と街の関係について書いているようで、実はそうではない。テーマが何であるかは読み手の方々の想像にお任せする。そんなにもったいぶるほどわかりにくい比喩でもないとは…

X=746

1から始まって、その次に2がきて3がきて、数はどんどん増え続ける。今ではもう1000をゆうに超えてしまったことだろう。そしてこれから先も、この数はどんどん増え続ける。増えるスピードはゆるやかになっていくかもしれないが、減ることはなく、増え続ける。…

これもひとつの老獪?

本当は答えがわかっているのに、あえて誰かに質問して、その人に答えを出させ、それに賛成するという手順を経ることがある。「自分で答えがわかっているのに、どうしてわざわざそんな面倒を」と思われるかもしれないが、ここに「承認欲求」という補助線を引…

「意識が高いか低いか」なんて考えるだけ時間の無駄じゃないかと思う

トピック「意識高い」について 私がまだ学生だった頃、「意識高い系」と「スイーツ(笑)」の二つをネット上や大学のキャンパス内、あるいはスタバでの会話や電車の中での会話など、いろいろな場所で耳にした。私は福岡県出身だが、地元ではどうも物足りなさ…

1275

昨日、自転車で通勤していると、信号で停車したときに前に止まっていたトラックのナンバーが「1275」だった。4桁の数字を見ると、四則演算を組み合わせて10にする…ということもたまにやるけれども、このときはそういう頭の体操みたいなことはしないで、私の…

ページの折れた辞書

高校受験のとき、一番行きたかった高校は偏差値が足りずに諦め、二番目に偏差値の高い高校を選んだ。その決断をする前に、自宅から5kmほども離れた最寄駅の脇にある書店で、一冊の英和中辞典を買った。その辞典は、私が行きたかった第一志望の高校で指定され…

ピッキング

綺麗な女性が現れる。そこでその綺麗さに惹かれて、惹かれて、ただ惹かれ続けてそれを褒め称えるのではなくて、その綺麗な人は今、どんなことを考えているのだろうと、その内面に踏み込んで行きたくなるときがやがてやってくる。マザー・テレサはかつて、愛…

パイの実

私は小さい頃から、なぜかパイの実が嫌いだった。彼女は好きらしいので、この前もコンビニでパイの実を買って二人で食べたりもしたのだが、やっぱりどこか馴染めないというか、受け入れ難いものを感じてしまった。小さい頃は食べることさえ拒むくらいであっ…

歴史に出会う時

私は幼い頃から、自分の身に起こったことについて、あまり頓着しないところがある。頓着しないから覚えていないのか、それとも覚えていないから頓着してもしょうがいないと考えているのか、それは判然としない。とにかく頓着はせず、また覚えていない。しか…

私と元号

今年のクリスマスイブは、27年間で最悪のクリスマスであった。私はその日、職場に自宅の鍵を忘れてきてしまい、自転車で深夜に帰宅して鍵を開けようとしたときにそのことにようやく気がついて呆然とした。隣人に一晩だけ泊めてもらえないか頼んでみたが、案…

甲州街道につかまって

先週の金曜日に経験した、鳥肌の立った出来事について、その印象の強度が弱まっていく前に、文章にしておこうと思う。 私はその日、深夜の3:30まで開いている渋谷のスクランブル交差点のところのスターバックスの店へ行った。私は店にいるとき、ふと思い立っ…

みかん

この記事は、26歳の自分として書く、最後の文章になるかもしれない。少なくともこの「はてなブログ」で書く文章としては。もうすぐ、私は小学校1年生の時の担任の先生と同じ、27歳になる。私は先生と、ある何らかの意味で同じようにものを考える、そういう人…

自覚されていないものと自覚されているものの広がり

こんな動画を見た。もうすでに3回見ている。なんといっても漱石の作品を丁寧に読み解いていくことによって話があっちこっちへつながり、内容がどんどん膨らんでいくのが面白い。専門分野にとらわれずに関連する他の領域の議論もどんどん取り込みながら自説を…

自分のことばは日本語か英語か

施光恒さんの『英語化は愚民化』という本の出版記念イベントの動画を見つけ、ここ最近の自分の関心リストのひとつである「日本人にとってのことば(日本語)とはなにか」ということと関係しそうだと思い、見てみた。対談の相手は柴山桂太さん。柴山さんが語…

虹の色は何色か

「主観と客観の違い」というタイトルとどちらにしようかと迷ったが、私自身にとっては「虹の色は何色か」の方が、私個人の具体的な経験を思い出しながら考えやすいという理由でこちらを採用した。 高校生の頃、3年生のある日の英語の授業で、先生が「虹の色…

私の無所属意識をめぐって

小さい頃からずっとそうなのだが、私は政治や社会というものに対して、あまり親近感というか、「自分自身がその一部である」という実感を持つことができない。この疎外感というか傍観的な態度というようなものは、東浩紀のいう「オタク」*1的なものとは少し…

分裂する他者

先日書いた記事の中で、迷路をめぐる私の経験について少し触れた。私が迷路を書き始めたのは保育園にいたころであり、その頃は脳のようにぐにゃぐにゃとうねったような形の迷路だったが、小学生になるとやがて道がまっすぐで立体交差する道に変わる。 そんな…

文体という建築、或いは文体という迷路

ここ一週間くらいの間、早稲田大の高橋順一さんが吉本隆明の『言語にとって美とはなにか』の内容を解説する動画*1を見ている。とても面白く、考えさせられることが多い。そして自分はまだ原典を読んだことはないので、書店で文庫版を探している。日曜に新宿…

自分では本音に気付けないということ

ある記事 職場での経験 虚記憶について ある記事 ハフィントンポストでこんな記事を読んだ。 <a href="http://www.huffingtonpost.jp/coffeedoctors/quality-of-life-knowledge-brain_b_7148960.html" data-mce-href="http://www.huffingtonpost.…

高校の数学Aを日常に応用する

【509字 目安:1分】AならばBが成り立つとき、BだからといってAとは限らない。日本人だから人間だ、が成り立つからといって人間であれば日本人であるとは限らない。能力や人格が優れた人ならばお金をたくさん稼げる、が成り立つからといって、たくさん稼げた…

「かわいそう」と「ひいてる」の使い方

「かわいそう」という言葉は、「かわいそうだ」と思う人のいるその場で使ってはいけないんだと思う。「かわいそう」という言葉もまたその人を傷つける。 同じように、「〜さんひいてるじゃん」という言い方も、その「ひいてる」ように見える人のいるその場で…

「最高の娯楽は学ぶこと」に対する不安

私にとって、最高の娯楽は学ぶことであり、普通の遊びを私はほとんど知らない。「遊びを知らない男はつまらない」という世間の価値観があまりに強すぎて、私は自分の足元がぐらついているように感じることがこれまでに何度もあった。今でもたぶん心のどこか…

頻度と思い出をつなぐもの

いまや卒業式の定番となった合唱曲「旅立ちの日に」(作詞:小嶋登 作曲:坂本浩美)を、ひょんなことがきっかけで久しぶりに聴いた。 中学生の頃、音楽の時間に練習したこと、音楽の先生の伴奏、恥ずかしがって最初はちゃんと声を出して歌えなかったこと、…

言ってることが一貫してない人

「あれ、この人前には○○って言ってたのに、今は△△って言ってる。どっちの立場なんだ?」ということに、日常生活の中でたびたび遭遇する。 それについて、「どうして人は発言が首尾一貫していないことがあるのか?ただの気まぐれなのか。それとも前とは状況が…

多数決の適切なサイズは存在するか

中学生のころに学級委員をしていて、クラスで多数決を取ることがあった。自分は教室の前方、教壇の位置に立って、手を上げた人の数を数え、黒板に正の字を書いていく。 そこから見えるのは、顔と名前を知っていて、話したこともある人間たちだけだった。クラ…