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人気があることを知りたいわけではなくて、あくまで面白いものを知りたい

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 (画像掲載元:http://smmlab.jp/?p=24586

 「人気のあること」が目立つようになっているネットの世界では、「自分の好きなもの」に出会えないことも少なくない。いや、正直に言うと、人気のあることほど、つまらなかったりする。興味のないことで溢れかえるノイジーな空間で、意味のあるシグナルだけを選り分けることはどれくらいうまくいくものなのか。

 

そんな中で、自分の本当に知りたいものを見つけるにはどうすればいいのだろう。これは先日書いた、「調べること」に関する記事とも関連する。

 

Googleに代わるもの - TOKYO/25/MALE

 

 

はてなブックマークの数が多い記事が自分の好きな記事とは限らない。

Facebookのいいね!の数が多い記事が自分の好きな記事とは限らない。

Twitterでリツイート(RT)の多い投稿が面白いとも限らない。

 

ネット上で見かける色々なコンテンツの多くは、「世間で人気があるもの」「アクセス数が多いもの」であることが多い。アルゴリズムもそのために利用されている。数の多いものから目立つ。

 

これは統計学的に考えるとある意味では妥当な考え方かもしれない。つまり、人気のあるものを薦めておけば、平均的に、「ユーザーの興味を引くもの」に行き当たりやすくなると考えられるだろう、と。人々の関心は意外と似通っているから、人気のあるものに人は関心を持ちやすい、ということも、もしかしたらあるかもしれない。

 

「※ただし自分は除く」である。個人的には、「そんなことはない」という気がする。

 

Facebookの「友達かも?」は、他のいくつかの条件を一定とすると自分との共通の友達が多い人ほど、自分のタイムライン上で推薦される確率が高くなる。

 

「他のいくつかの条件」と書いた。たとえばこの中に、「自分のタイプ」というのが何らかの形で客観的な指標になったものが含まれているならばいいのだが、そういうわけでもない。例えば自分のプロフィールの項目の中に、「見た映画」がある。自分は今150本くらい登録しているのだが、この150本の映画の中で、「同じ映画を見た人」が、その映画の数が多い順で、友達候補として表示されるということはない。

 

 キュレーションアプリが流行っている。Gunosy、Newspicks、Antennaなど、自分の好みを項目として事前に登録しておいて、それに関連する記事を集めてくれる。Twitterもキュレーションアプリとして利用することができる。ハッシュタグ(#)を単語の前につけることで、その単語が含まれるツイートはキュレーションされる。それとは別にツイート検索をすることもできる。

 

そしてもっと言えば、Googleに始まる検索エンジンはもっとも大規模なキュレーションアプリだ。

 

これらのキュレーションアプリに共通するもの、「各ユーザーの興味のあるものだけ」を集めるために使われるのが「単語」だ。単語をルアーとして、コンテンツをつり上げる。

 

自分の場合で考えてみた。自分は、自分の探しているものを、適切な「単語」によって表現できるだろうか。

 

もしできるならば、そこから先はキュレーションアプリの役目だ。後は黙って待っていれば、…いや、「待つ」という時間以内の短時間で、彼らはたくさんのものを釣り上げてくる。そしてそれが画面の上に上から下へ並べられる。そういう仕事は彼らの得意技だし、そういうことができるように作られ、改良されてきたとすら言える。

 

しかし残念ながら、これまでたくさんの本を読んできたけれど、自分の知りたいことを、自分の力で適切な言葉で表現することには、未だに失敗し続けているように思う。

 

だから「当たり」を求めて、書店に足繁く通って、新刊やまだ過去の自分が見つけられなかった本があるかもしれない、と店内をぐるぐる歩き回り、ネットを使って辛抱強く検索結果の山に目を通し、オンライン・オフラインでの色々な人との会話で、内容を掘り下げる。

 

これらの行動はどれも、ある意味での「敗北宣言」で、自分が求めるものを最も効率よく見つけ出すことに失敗しているからこその、「せめてもの建設的あがき」と言えるのかもしれない。こうして書いてみると凹むものがあるけれど、どうもそういう気がするのは事実だ。

 

「単語」で見つけられないならどうするか。ちょっとした日常の例をもとにこのことを考えてみる。

 

 自分自身が自覚できているとき、それは「言葉になるもの」と「言葉にならないもの」がある。自覚できていて、なおかつ言葉にできないもの。「いい感じの見つけといて」というとき、「いい感じ」という言葉は、表現しきれていない言葉で、その表現しきれていないものを受け手の側がうまく汲み取らなければならない。そのとき受け手はどうするか。その人とのこれまでのやりとりで把握している相手の人物像、人柄、雰囲気などを大まかな参考にしながら、その人が求めているものを考えることになる。ノンバーバルな情報だ。

 

ノンバーバルな情報をキュレーションアプリは扱えるだろうか。イエスの部分とノーの部分がある。ユーザーの行動について、過去の履歴をもとに判断することができる、という意味で「イエス」であり、それでもその過去の履歴は「言葉」をもとにユーザーが検索したものに限られるという意味で「ノー」ということになる。

 

「パターン」をどう使うか。言葉にされたことで検索が開始されたもの、その集積の中から浮かび上がってきたものをもとに、ノンバーバルな情報を作り出し、ユーザーの好みを分析する、というだけではなく、そもそも言葉にされなかったけれども、検索結果には登場するような現象、「あれ、この単語で検索したらこのページは出ないはずなのに、確かにこのページは私がまさに求めているものだ。なんという幸運!」という出来事をどうやって起こすか。