決済手段が変わると行動パターンが変わる?

 FinTechやブロックチェーン、或いはビットコインが流行るようになってから、「決済手段」ということにも世間の関心が集まるようになった。この決済手段ということについて、自分の場合で考えてみると、何かを買う場合にその決済手段がauWALLET中心に変わっただけで、Amazonを利用することがなくなった。理由は単純で、AmazonではauWALLETが使えない」と思い込んでいたから*1

 「決済手段」ないし「支払い方法」というのは、少なくとも経済学的には、「買い物」(消費)という行為に対して中立的であるはずなのに、実際には私の場合、Amazonでの購入から実店舗での購入へのシフトという形で、自分が購入する商品のバリエーションに影響を及ぼしている。Amazonであれば洋書なども制限を感じずに購入することができていたが、実店舗だと洋書の品揃えには限りがあるし、理工系の書籍についても同様だ。

 今回の件は自分の思い込みによる勘違いが原因だったけれども、それによって自分の購買行動のパターンは少なからず以前と比べて変化したことは確かで、その原因になったのは支払い手段についての自分の認識だった。

 しかし、auWALLETで決済ができない店もまだ少なくないこともまた事実ではある。そしてその状況が消費者の購買行動に対して非中立的な形で何らかの影響を及ぼしていることも十分に想定される。

 auWALLETに限らず、SuicaEdyなどの電子マネーが使えない店はまだ少なくない。これは日本での「現金至上主義的な価値観」はすぐには変わらないということなのかもしれない。もっともこの点については、自分が海外で電子マネーでの生活をした経験に裏打ちされた言葉というわけではなく、ネット上のあちこちで見聞きした情報をもとにした考えである。別に「現金至上」ということではなく、単に新しいことを取り入れることに及び腰な国民性が決済手段というケースにも当てはまるだけで、もしもauWALLETが一旦定着したなら、それはそれでまた新たな決済手段が出たときに、いつまでもそちらには変わらずにauWALLETが使われ続ける…という状況が起こりそうな気もする。

 決済手段は中立的でなく、しかも人々は多かれ少なかれそのことについてある程度認識している節があって、その認識もまた決済手段の中立性を歪める結果につながるという、なんとも困った状況に陥っているということなのかもしれない。

 

【追記】

AmazonでもauWALLETが使えるとの情報を手に入れて、早速試してみたが、「クレジットカードの利用承認が得られなかった」というメールが送られてきて決済できない。

結局使えないということになってしまう。じゃあやっぱりAmazonで買うことはないままになりそうだなぁ。

*1:実際にはauWALLETを使ってAmazonから何かを購入することはできるらしい。以下のサイトでそのことを知った。

www.dalahast.jp