紙の本の中で紹介されている論文や記事、サイトのリンク集を作ってみる。
いつもどおりバイト先から帰っている途中、電車の中で『ビッグデータの正体』の第5章を読んでいたら、その中でScience誌の論文が紹介されている箇所があった。そこで、より詳しい情報を確認しようと思い、巻末の注を見ていたらふと思った。
どうして紙の本の注に書いてある情報はいつまでもネット上ですぐに確認できないままなんだろう。これこそウェブのハイパーリンクが活かせる領域ではないか。
まあ確認しようと思えば読者が自分で検索すればいいわけだから、厳密にいえば「確認できない」わけではないのだが、ウェブ上での情報みたいに、簡単にリンクをたどるということが紙の本ではできない。それがハイパーリンクの有無の違いだ。だから、紙の本で紹介されている色々な本や論文や記事をいちいち確認しながら読む人は、研究者など一握りの人々に限られてしまうのではないか。これではせっかくの有用な情報資源が紙の中に埋もれたままになってしまってもったいない。それは「シェアラブル」(sharable)ではない。
そこでこれから、自分が読む本の中で紹介されている本や論文や記事やウェブサイトなどについて、読むごとに「リンクまとめ集」を作ろうと思う。今の自分には十分なプログラミングのスキルがないので、これを自動化することができない。だから当分は手作業でソースを検索して…ということを地道にしながらリンク集を作っていくことになる。しかしある程度のプログラミングのスキルが身についたら、これを自動化して一つのサービスとしてリリースするところまで行ければいいなあと思う。これでより多くの人が、それぞれの本の内容について深く理解するきっかけになればいいなあ。
【追記】
この記事のテーマと通じるものを感じる記事を発見したので、ここに添付しておく。
添付した記事の主張を簡単にまとめよう。
アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(通称「あの花」)がフジテレビでドラマ化されたが、原作アニメをただ実写で再現しているだけで、ドラマとしての脚色がないために、却って味気ないものになってしまっているということが指摘されている。まあこのドラマに泣けるかどうかは個人差があるとは思うが、個人的には「メディアは中立ではない」と考えているので、アニメでやるかドラマでやるかによって内容は変わってしまうことを意識しないで、ただアニメの内容を再現するだけでは意味がないというところが印象的だった。というのも、それが現在の電子書籍にも当てはまることだからだ。
現在の電子書籍は、せっかくデジタル化したにもかかわらず、ただ紙の本のデータをデジタルにスルッと移動させただけで、ハイパーリンクがちっとも使われていない。KindleでもGoogleブックスでもいいが、関連書籍や注が記載されていても、すぐにそこへ飛ぶことができない。紙の本とデジタルの本は初めから違うメディアとして捉え、後者ではもっとハイパーリンクの価値を生かすようにすべきだと思うのだが、ただデータを移すだけという発想でいるから、こういう無駄が生まれる。メディアの捉え方を基本から考え直す必要があるだろう。