言ってることが一貫してない人

「あれ、この人前には○○って言ってたのに、今は△△って言ってる。どっちの立場なんだ?」ということに、日常生活の中でたびたび遭遇する。

 

それについて、「どうして人は発言が首尾一貫していないことがあるのか?ただの気まぐれなのか。それとも前とは状況が違うということなのか。」などなど、何度かありそうな理屈を考えてみたけれど、昨夜、バイトを終えて帰宅する途中、山手線から井の頭線に乗り換えるのに連絡通路を歩いていて新たな説を思いついた。

 

自分自身について考えてみても、そういうことはたまにある。以前にはAといっていたのに、同じような状況に遭遇すると今度はBと言っている自分に気付く、そういう状況。

 

これがどうして起きるのか、自分の頭の中を念入りに調べてみると、その場その場で連想を行って、その連想に基づいて発言をしていることに気がついた。つまり以前の発言をそこで思い出せなければ、以前とは違った連想に基づいて、以前とは違った結論を導き出すこともある、と。

 

情報はどんどん増えていく。以前の自分の頭の中の情報と、今の自分のそれとを比べると、控えめに言っても必ず何かしらの情報が増えている。そして頭の中では、その新たに加わった情報も材料となって、連想が進んでいく。

 

無意識深層心理と呼ばれるレベルで、「これはAだ」と固く信じ込んでいるような状態だったら、いつ同じ状況に遭遇しても、即座に「それはAだ!」と答えるかもしれないが、自分の発言やその発言を支えている基礎(土台)がそこまで深く定着していないと、発言内容は同じ状況下でも変化しうる。

 

そしてそれは、一般常識からすれば「前と言ってることが違うじゃないか。首尾一貫しないなあ。」と判断されるものなのかもしれないが、ある発言がどのような脳内活動によって作られているのかに基づいて考えると、それほど不思議なことが起きているわけではないんだな、と考えるに至った。それはむしろ自然なことなのだと。少しは常識(というよりはむしろ固定観念)を破れたかなと思えた出来事だった。

 

だから、今度は連想のしかたの方を念入りに調べてみたいと考えるようになった。