ボコハラムが殺害した人の数が1年で4倍に増えた事実について
水曜の昼間に渋谷のスタバで元彼女と話した時に、たまたま上の階のブックカフェで目にしたニューズウィーク誌の記事が気になり続け、結局昨日購入した。「早く買わなければコンビニから消えてしまう…」と焦る気持ちもあった。大きな書店に行けばバックナンバーが置いてあるかもしれないとも思いつつ、早く買って読みたいという思いの前ではそんな思いも無力だった。
その中でボコ・ハラムを扱った記事が目に止まった。ウェブ版でも同じ記者が書いたほぼ同じ内容の記事*1が公開されていたが、ウェブ版には書かれていないこともある。私がその記事を読んでいて目に止まった箇所はそこだったので、引用する。
昨年ボコ・ハラムに殺された犠牲者数は、前年の4倍以上に増えている。テロの形態は、自爆テロ、町や村落の焼き討ちなどだ。警戒のためナイジェリア北東部の3州では非常事態宣言が続いている。
(ニューズウィーク日本版 2015年12月1日号掲載記事「殺害数であの集団を抜いたボコ・ハラム」(ジャック・ムーア)より)
記事のタイトルから考えると、ボコ・ハラムがISISよりも多くの人間を殺しているという事実を浮き彫りにしている点が記事のポイントなのかもしれないが、私はそこよりも引用箇所の方が引っかかった。2013年から2014年にかけて、ボコ・ハラムが殺害した人間の人数が4倍に増えた、という点である。ある集団が一年間に殺害する人間の数が4倍に増えるというのはどういうことなのだろう。2014年に6644人殺していると記事には書かれているから、4で割ると2013年に殺した人数は1661人。ある年に1661人を殺した集団が、次の年にはその4倍に上る6644人を殺した。そういう変化をどう捉えればいいのか。その背景にどんな力がはたらいているのか、ナイジェリアにとどまらず、ボコ・ハラムが視野の中に収める世界の中では、彼らにとってどんな環境の変化があったのか、そういうことが気になったのだが、何も思い当たることがない。私はどれほど世界のことを知らないで最近まで過ごしていたのだろうと思わされた。ボコ・ハラムについても、初めに知った時にはアフリカでテロリストが活動しているというくらいの認識で、それが自分とどのように関わってくるのかということに思い至らないで、対岸の火事のように眺めているだけだった。
ナイジェリアはそもそもどんな国なのか、
そこにはどんな人たちが暮らし、
どんな生活をし、
近隣の国とどう付き合い、
どういう歴史をもち、
イスラム教とどう関わり、
どういう問題をかかえ、
イスラム国とはどうつながり、
そして自分とはどういう風に関係しているのか。
そういうことをまずは調べていかなければならない。基本的なところから。それによって、「4倍に増えた」ということについて自分なりに考えをまとめることができるようになるかもしれない。