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仙人掌(さぼてん)

 以前に母と電話で話していた時、母から送られてきた小さな仙人掌のことが話題に上った。仙人掌というのは、鉢の大きさによって、もっと正確に言うと植わっている土の広がりによってどこまで大きくなるかが変わるらしい。私の自宅には今、3つの仙人掌があり、どれもおちょこに土を入れてそこに植えているためにとても小さいが、これをもっと大きな器の中で育てれば、仙人掌は成長し、大きくなるだろう。

 

 砂漠にある仙人掌はとても大きい。それは器という制約がなく、ただむき出しで広がった大地から、自分が吸いとれる限りの水分と養分を吸い取ることができるからだ。仙人掌は頻繁に水をやる必要がない。育てる人間からすれば手がかからなくて育てやすい、ということになるが、これを仙人掌の側からみればどうか。ときどきほんの数滴の水を与えられれば、仙人掌は自らの持てる力の限りを尽くして水分を吸収する。

 

私は仙人掌について語っているのか、それとも人間のあり方について語っているのか。