生物学

ジェフ・スティベル『ブレークポイント』索引(※作成中)

各章注 用語索引 人名索引 書名索引 記事索引 論文索引 講演・スピーチ索引 サイト索引 映像索引 まだ完全ではありませんが、日本語では見ないような人物や名詞、本や論文も載っているので、ネット(というかGoogle)で調べても知識が増えにくくて効率の悪さ…

バッタと蛇

バッタはどんどん跳ねる。ひとっ飛びであっちやこっちまで行ける。 それに対して蛇は、地上を這い、一気に隔たったところまで進むということはできない。 私自身はバッタの側か蛇の側かどちらだろうと、ふとそんなことを考えた。 誰かと話していて、「◯◯くん…

指の皺と私のこころ

湯船にずっと浸かっていると、指に皺ができてくる。その皺をぼんやりと見ていると、二つのことを考えさせられた。 一つは、自分の脳ではなく、生体全体の側から見たら、自分の悩みや喜びなどの精神的な問題と、今まさに刻まれつつある指の皺と、どっちが本質…

多様性と構造と、それから個人

ここ数年、特に一企業や産業、或いは社会を論じる文脈で「多様性」(diversity)の重要性が強調されるのを目にすることが増えた。しかしその中の多くはビジネスに関するもので、多様性がイノベーションをもたらすとか、もうちょっと小利口な理屈をつけられて…

様々なる情報処理

【1462字 目安:2分】 名前からして当然といえば当然なのかもしれないが、情報処理の効率性についての研究が一番進んでいるのはやっぱり情報科学の分野だろう。 情報処理に使う「要素」の数の多さに対する効率性という点で。 この分野の技術進歩は著しく、今…

群選択における群の階層

「群選択」(group selection)という言葉を使う場合、通常は自分個人ではなく、自分の所属する集団にとって望ましい選択とされる。気になるのはこの「自分の所属する集団」というところで、互いに階層の異なる複数の集団にある個人が所属している場合、個人…

言葉以前の世界にどう触れるか

世界は言葉よりも前に生まれている。たとえこのことを言葉を使わなければ表現できないとしても、世界は言葉に先立つという事実は揺らがない。 「◯◯以前の世界」という言い方に少し興味がわいている。たとえば男女以前の世界はどうだったのかと言われれば、無…

祭りをめぐる集合意識と個人の同質性

最近、木村敏さんの『時間と自己』(中公新書)を読んだ。もともと興味があった本ということで読み始めたのだが、近頃の関心である「大衆」や「集団と個人」というところとも関係する内容であることに気付かされた。 大衆については「多数決で正しいことを決…

価値観を含むシステムと、含まないシステム

人間に関するシステムを考える場合に、規範的(normative)なものを考えるか実証的(positive)なものを考えるかということについて考える。 経済学(Economics)はよく「社会科学の女王である」と言われる。「社会科学」(social science)という言葉には「…

情報化時代で問題になるのは「意識」だと思う

「無意識」について考えていて、そこから発展した、情報化と意識の関係についての考えを書いてみようと思う。 人間が普段やっている判断の9割以上は無意識によって決定されている、と言われる。人間というのはともすると、「意識してものを考えたり感じたり…

人工知能と社会科学の関係

人工知能(AI)についての動画を見た。 動画の後半で、人工知能について考えることを通じて、人間は自分たちがどんなルールに基づいて生活しているのかについて反省する機会を得ることができる、再考を迫られる、そういう側面があるというようなことについて…

確率をめぐる人間とコンピュータの関係

確率(probability)について、近頃漠然と感じることがある。 個人の頭の中では処理できないくらい、多くの情報が関わって決定されるような現象は、たとえそれが原理的には確定的(deterministic)なものであろうとも、その人にとっては「運」とか「確率」の…

結局のところ、「問題を解く」というのは何をどうすること?

(画像はA3 Problem Solving Workshops for Manufacturers in South Carolinaより転載) 台風19号ヴォンフォンの接近で雨が激しくなっている。そして下の階からはゴトゴトと音がし続けている。何が起きているんだろうか…。 情報処理(information processing…

粘土と折り紙に教わるビッグデータの処理

「TEDで面白いスピーチないかなー」と思って探していたら、こんなスピーチを見つけた。 Kenneth Cukier: Big data is better data | Talk Video | TED.com 少し脱線するが、ここで個人的には面白いことがひとつ起きた。「ん?ケネス・クキエ?どっかで見たこ…

タンパク質と脳はどちらが賢いか

(画像はthe traveling salesman problem challenge for cheeseheads | Punk Rock Operations Researchより引用) 「P≠NP問題」というのがある。「NP問題」というのはNon-Polynomial(非多項式)、つまりある多項式で表される時間以内では多くの解答の候補の…

理屈のような物語と、物語のような理屈

漠然と考えていたことについてのツイートから話を始めようと思う。 アナロジーということについて、最近ふと気付いたこと。日常的なことをアナロジーとして科学の事柄を説明するのは抵抗ないけど、科学的な知見をアナロジーとして日常のことを説明するのには…

言葉やイメージを使わずに何かを達成するということ

(Why copywriters should love network science | Online Ventures Groupより転載) 近頃この辺のテーマについて考える時間が増えている。 先日の記事で紹介したハキリアリ、モジホコリ、ニューロンなど、それ自体はしごく単純なものが、とんでもないことを…

自分の中で、自分について「見えているところ」と「見えていないところ」

(画像は葉酸補酵素結合型ヒトTタンパク質の立体構造と、高グリシン血症で同定された変異部位。以下のサイトより転載:http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2005/050708/) 自分の意志で何かを決めるというとき、或いはなんとなく…

人やコンピュータでなく、ネットワークに問題を解決させるということ

ジェフ・スティベル『ブレークポイント』を読み進めていて、もう少しで終わり…というところまでやってきた。英語の方でどんな単語が使われているのか気になるので、近々英語でも読んでみようとも思った。 「第11章 結び シロアリ 絶滅」で、「ハキリアリ」(…

記憶

この動画(※オリジナルの映像は1982年のもの)を時間を置いて繰り返し見ている。何度観ても飽きることがない面白さ。 小説家の安部公房さんと分子生物学者の渡邊格さんの対談。 安部公房 ・渡邊格 対談完全版 - YouTube この動画を観ていて考えること・テー…

主語を変えること

「無生物主語」という概念がある。「その事故は彼女を悲しませた。」というアレである。「主語はいつも人間だ」と思っているととんだところで足下を掬われるかもしれない、いや既に掬われてしまっているかもしれない、今回はそんな話である。 まずはこの文か…

昨日見た夢について

昨日見た夢について、そこから派生的に考えたことも含めて書いてみようと思います。 「夢をどう分析するか」というのは、今の時点で自分の頭の中にあり、かつ思い出せるのはフロイトの『夢判断』(新潮文庫)に関するおぼろげな記憶と、大学のときに表象文化…

DNAコンピュータの哲学

去年の4月から7月にかけて、東大の教養学部後期過程の学部聴講生をやっていた。その頃「生体高分子科学」という授業を受けていた。内容はDNAコンピュータの原理を扱うもの。 世間では「コンピュータ」と言えば電子コンピュータか、せいぜい量子コンピュータ…