東京

バラバラであって、一つであるようなもの

ロードバイクに乗る時に、私はときどきクラブミュージックをかけて道を走る。そしてアルバイト先へ向かういつもの道を走っていると、街の中のいろいろなものが目に入ってくる。信号機、整骨院、政治家のポスター、駐車場に止められた自家用車、いろいろな年…

ツインテールのリアリズム

井の頭線の渋谷駅の改札を通って山手線に乗り換える途中、ツインテールの女子高生が、自分の三歩ほど先を歩いていた。私はそれを見て「高校生にもなってツインテールはどうなのか」と感じた。それがこの省察の起点であって、私はツインテールやオタクファッ…

言葉とwordと私のあいだ

ある対話 表音文字と表意文字 インターネットと検索エンジンとことば 書くことの中に私を求めて ある対話 今日は久々に元彼女と会って渋谷のスターバックスで話した。11:40頃から15:40頃までの間であるから、おおよそ3時間半から4時間というところだ。この長…

時間と日常

女子高生が駅のホームで時刻表を見て1つ前の電車の時刻を確認し、「あぁ〜、40分かぁ〜。間に合ったね。」と言っていた。 できるなら早く電車に乗りたいという欲求がそこには汲み取れるように思った。そこから一歩、考えを進めていくと、そもそもどうして…

日本人として何かを見ること

電車でバイト先へ向かう時、淡いピンクから淡い水色へとグラデーションをなしているような空を電車の窓からぼんやり見ていた。その空は多くの建物の稜線に縁取られ、その隙間から辛うじて覗くような空である。 私はそこで、いわば「空の同一性」とでも呼ぶよ…

売られた本の奥にあるもの

ブックオフへ行くと、少し前に人気があったはずの本、世間を賑わせた本、ベストセラーとされていたはずの本があるのを見かける。そういう本が一体どうして、所有者の手を離れて、今やこの棚に静かに収まっているのだろう。そういう本をぼんやりと見ていると…

電車の中で

電車の頻度は、街によって異なる。或いは路線によって異なる。 電車を利用する一人一人の望みがどうであろうと、それが叶えられることはほとんどない。ある東京人が、東京人的感覚に基づいて「電車の頻度は10分に一本くらいであるべきだ」と考えたとしても、…

社会契約論と代議制を別れさせ、社会契約論の新たな伴侶を探す

ジャン・ジャック=ルソーの社会契約論(Social Contract Theory)とジョン・スチュアート=ミルの代議制(Representative Democracy)は、必ずしも論理的に結びつかない。今では運命の赤い意図で結ばれた男女のごとく結びついているが、そこに運命の赤い糸…

自分のことばは日本語か英語か

施光恒さんの『英語化は愚民化』という本の出版記念イベントの動画を見つけ、ここ最近の自分の関心リストのひとつである「日本人にとってのことば(日本語)とはなにか」ということと関係しそうだと思い、見てみた。対談の相手は柴山桂太さん。柴山さんが語…

ロードバイクが私にもたらした変化

今週のお題「今年買って良かったモノ」 ロードバイクが言葉を生む? 1週間くらい前にブログの月別アーカイブの数字を見ていてふと気付いた。今月(2015年11月)は1日2本くらいのペースで記事を書いていることになる。 普通なら順を追って書くところなのかも…

わたしたちは他者を獲得できるのだろうか

昨日から今日にかけて、こういう動画を見た。 [full]島田雅彦 × 茂木健一郎 脳と文学〜茂木健一郎の講義 - YouTube この対談の中で、島田がいう「象徴システム」とは、ある個人や集団の実存を支えたり、その行動に動機を与えたり方向づけを行ったりするよう…

虹の色は何色か

「主観と客観の違い」というタイトルとどちらにしようかと迷ったが、私自身にとっては「虹の色は何色か」の方が、私個人の具体的な経験を思い出しながら考えやすいという理由でこちらを採用した。 高校生の頃、3年生のある日の英語の授業で、先生が「虹の色…

私の無所属意識をめぐって

小さい頃からずっとそうなのだが、私は政治や社会というものに対して、あまり親近感というか、「自分自身がその一部である」という実感を持つことができない。この疎外感というか傍観的な態度というようなものは、東浩紀のいう「オタク」*1的なものとは少し…

分裂する他者

先日書いた記事の中で、迷路をめぐる私の経験について少し触れた。私が迷路を書き始めたのは保育園にいたころであり、その頃は脳のようにぐにゃぐにゃとうねったような形の迷路だったが、小学生になるとやがて道がまっすぐで立体交差する道に変わる。 そんな…

私と物

都市に生きる人間は、人工的に作られた環境に囲まれて暮らしている。だから自分たちが自然の中から生まれてきたこと、或いは自然と連続性をもった存在であることを意識させられることがほとんどない。都市に生きる人々は、いつもいつも人間関係のことばかり…

文体という建築、或いは文体という迷路

ここ一週間くらいの間、早稲田大の高橋順一さんが吉本隆明の『言語にとって美とはなにか』の内容を解説する動画*1を見ている。とても面白く、考えさせられることが多い。そして自分はまだ原典を読んだことはないので、書店で文庫版を探している。日曜に新宿…

多様性と構造と、それから個人

ここ数年、特に一企業や産業、或いは社会を論じる文脈で「多様性」(diversity)の重要性が強調されるのを目にすることが増えた。しかしその中の多くはビジネスに関するもので、多様性がイノベーションをもたらすとか、もうちょっと小利口な理屈をつけられて…

あっちとこっちをつなぐ

次から次へと新しい記事や本を読むということが自分にとってはどんな意味をもっているのかについて、最寄り駅から自宅に戻る途中で、特にセブンイレブンの近くを歩きながら考えたことについて書こうと思う。 新しい言葉や言説を読むと、それがきっかけとなっ…

後ろに誰かがいるという感覚

ロードバイクでアルバイト先の校舎まで通勤しているとき、途中で前を走る男性がいた。30代後半から40代ほどの年齢だろうか。彼もロードバイクで走っていた。いくつかの交差点を通過したとき、私は彼を追い越して、彼は私の後を走った。私が交差点で止まるた…

数学の考え方と人間の心

塾で授業をしていてふと思ったことがある。「方程式に数値を代入する」という考え方は、もともと人間の中に「自分だったらどうか」とか「あのときこうだったら今どうなっていたか」と想像してみる能力があったから生まれたのではないか。逆にいえば、そうい…

情報との向き合い方について

情報の時代だとか情報爆発などと言われる。私個人についていえば、フィード購読アプリFeedlyを使って、毎日色々なメディアの記事をチェックしている。精読するのはごく少数の記事に限られるけれども、それでも色々な記事を読むことになる。新聞を隅から隅ま…

アダム・スミス批判を展開するバリー・シュワルツの記事を読んで

『なぜ選ぶたびに後悔するのか オプション過剰時代の賢い選択術』*1という本を書いたバリー・シュワルツ(Barry Schwartz)という人がいる。TEDで講演*2もしている。私が彼のことを知ったのはTEDの「The Paradox of Choice」(選択のパラドックス)という講…

蛙の自我とはなんだろう

入浴中、蛙の自我について考えていた。「ニュートリノ」の自我について、埴谷雄高が考えていた*1のに触発されたのだろう。彼は考えた。たとえば人間が、「自分が自分であること」(自我)を意識するのは、何かにぶつかるからだ。何かにぶつかれば「ああ、今…

IoTとジェスチャーと身体

Feedlyでこんな記事を見つけた。鍵を鍵穴に差し込んで回すとそれがスイッチになってTwitterでツイートできたり、Uberでタクシーが呼べたり、とAPI連携を利用していろいろなことができるようになるというデバイス。IFTTTやmyThingsなどとも連携できるらしい。…

弱いAIがもたらすものー虚体から虚思考へ

「もっと他のことを考えたい!」という欲求から、いろいろなことを「自動化」(=習慣化)していきながら、そうやって習慣化されたことは無意識に沈殿し、意識の領域に影響を及ぼす。 意識の領域で考えられることを増やすために習慣化したのに、皮肉なことに…

なにがどう転ぶかわからない、そしてどんなラッキーに巡り合うかもわからない

休日ということで、昨日はハロウィンで盛り上がっていたらしい渋谷を一応今日も避け、近場の吉祥寺にロードバイクで出かけた。 東急の近くにある駐輪場に自転車を駐め、そこから歩いてコピス吉祥寺の中のジュンク堂書店に入り、面白そうな本を買い、また外へ…

金髪で深緑のコートを着た女性

井の頭線吉祥寺駅の改札近くにスターバックスがある。久しぶりにそこで読書をしながら過ごしている。窓際の席だから、窓から駅の構内を移動するいろいろな人が歩いたり走ったり誰かを待っていたりするのが見える。 さっき、金髪で深緑のコートを着た女性が駅…

ロードバイクを買って思ったこと

ロードバイクを購入した。以前はネットで30000円クラスのものに乗っていたが、パーツ交換などでやたらお金がかかることもあって、ある程度値段のするちゃんとしたロードバイクを実店舗で買おうと考えた。 自分がここへきて突然のようにロードバイクの購入を…

私たちが対話の相手ではなく画面を見つめるようになって何が変わったか

高校生の現代文で出てくる評論の文章からは学べることがかなりあるのでたまに読み返してみたりする。昨日も若林幹夫「メディアと市民的公共性」という文章を読んだのだが、メディアと人間の関係について改めて考えさせられるいいきっかけになった。こういう…

漫画のワンシーンから考える人間とテクノロジーの関係

自宅の近くに餃子とラーメンが食べられる(定食もある)店がある。さっき久しぶりにその店で食べてきた。 注文した札幌ラーメン(味噌)とチャーハンを待っている間、店の入り口に並べられた漫画の中から面白そうなものを探していると、以前から書店で見知っ…

「人間は変わらないさ」とアルゴリズムは考える

Feedlyで購読しているTechCrunchのサイトで「Past Behavior Does Not Determine Future Purchase」というタイトルの記事を見つけた。*1 タイトルを意訳風に訳すと「ネット上での過去の行動によって、これから買うものは決まったりしないよ」というところ。最…

興味がないものは、視界に入っていてもちゃんと見えてはいない

先日アルバイト先の塾でこんなことがあった。いつもの様に高校生の授業をしていたら、担当している生徒が「高校の英語の先生が面白くて、宮崎駿に似ている」という話をし始めた。写真があるというので見せてもらったら、髭をたくわえたおじさんではあるもの…

素直になるのが、たぶん一番難しい

脳科学者の中野信子さんのブログ記事を見ていて、「ああそうか、『ブログ』って本来はウェブ上のログのことだから、変にがんばらずに気軽にログを取っていけばいいのか」と思い、今回はいつもより気楽な感じで記事を書いている。ちなみにそのブログ記事はこ…

ドラマ「いつかティファニーで朝食を」の第一話を見て

10月10日から日本テレビで始まったドラマ、「いつかティファニーで朝食を」の第一話をHuluで見た。あるシーンを見て吐き気がするほど気持ち悪いと感覚を抱き、一度見るのをやめてしまったのだが、「そんな風に何かを途中で投げ出したり切り捨てたりするのが…

ソーシャル物理学と自然言語処理の立場の違い

少し前の記事に書いたように、最近は自分の関心がコンピュータ科学の領域に絞られてきた。 plousia-philodoxee.hatenablog.com そこで人工知能に関する書籍のうち、いわゆる「人工知能は人類を滅ぼす」というような思想方面の書籍は避け、機械学習やディープ…

「人工知能が人類を滅ぼす」論に潜む暗黙の前提についての違和感

【字数:2602字 目安:6分】 「ディープラーニング」(深層学習)を中心とした人工知能に関する議論が最近国内でも流行っている。雑誌や週刊誌でも特集が組まれることが多いし、だいたいそこでは松尾豊さんとか小林雅一さんあたりを中心に記事が載っている。…

また明日からルベーグ積分の勉強がんばろう。

2ヶ月以上も更新していなかった。今年は割とちゃんと記事を書き続けてきたものの、最近になって急に記事を書く気がなくなってしまっていた。いろいろと悩んだりすることもあり、精神的に停滞しきっていた。 それでもひょんなことがきっかけであっさり元通り…

人とコンテンツの関係について

【1927字 目安:4分】 書店の本というのは、トピックやテーマ、概念、キーワードなど、つまり「何が書かれているか」ではなく、著者、つまり「誰が書いたか」を基準に並べられていることが多い。人文思想の「人格化」という言葉をとある動画で聞いて「確かに…

幽霊論

【字数:950字 目安時間:2分】 (出典:【画像も】怖いくらいに美しい松井冬子の作品の値段などを大発見! | まとめアットウィキ - スマートフォン いずれも東京芸大出身の画家、松井冬子さんによる作品。不気味なものがまさにその不気味さを前面に出し、そ…

設計するということ

トヨタのTNGAとTCP/IPの共通点 生物における階層化 モジュール化について トヨタのTNGAとTCP/IPの共通点 2015年5月2・9日合併号の週刊東洋経済のトヨタ特集を読んでいる。トヨタの自動車設計についての新しい構想「TNGA」(「トヨタ・ニュー・グローバル・ア…

来る水素社会について考える

【2037字 目安:5分】 以前から書店で見かけては気になっていたpen+をようやく購入した。 Pen+(ペン・プラス) 大いなる可能性を秘めた 下水道のミライ (メディアハウスムック) 出版社/メーカー: CCCメディアハウス 発売日: 2015/03/24 メディア: ムック この…

日本語で出会えるもの、英語で出会えるもの

【2424字 目安:5分】 「世論」というのを、「それは社会における情報処理の一形態である」というふうに考えるとどうだろうと思って、ネットで検索しても、日本語では「これは!」と思うものに出会えない。 しかし「social information processing」で検索す…

電車の中のセル・オートマトン

【432字 目安:1分】 電車の中で、音出してスマホのゲームしてるヤンキーみたいな格好した若いあんちゃんがいて、シャンシャンシャンシャン音がうるさいから直接言おうかと思ったけど、今日はできなかった。 彼は他の人に言われることもなく、したがって自分…

集団が情報を処理するしくみ

【3797字 目安:8分】 ①民主主義(democracy) …政治システム。構成員による「話し合い」で解決できるものが問題の中心で、専門的な問題、解決に高度な知識や技術を必要とする問題*1には、専門家の関与が不可欠。決議を構成員全員が行うタイプ(直接民主制*2…

様々なる情報処理

【1462字 目安:2分】 名前からして当然といえば当然なのかもしれないが、情報処理の効率性についての研究が一番進んでいるのはやっぱり情報科学の分野だろう。 情報処理に使う「要素」の数の多さに対する効率性という点で。 この分野の技術進歩は著しく、今…

両極端に走りがちな世論

【1745字 目安:3分】 ISIS=イスラム教徒=悪者 という謎の方程式がでっちあげられている印象を受ける。 そしてメディアではその反動として、「イスラム教徒は危ない人達ではない」と主張する記事も増えている。直近で見たものだと例えばこれ。 <a href=…

新聞とテレビについて

メディアの偏向報道が取りざたされることが増えた。いつからか。安倍政権になってからか?安倍政権はイカれてるのだろうか?私としては正直そんなことはどうでもいい。というより、そういう捉え方で実りある議論が成り立つとは思えず、あくまで自分が解決に…

しるしのつながり

私はよく誤解をする。「〜は〜だからではないか?」「〜と言ったあの人の意図は〜ということなのではないか?」「〜というこの状況は〜ということを意味しているのではないか?」など、それはもう色々なしかたで誤解する。 「精神的な距離は物理的な距離とし…

「かわいそう」と「ひいてる」の使い方

「かわいそう」という言葉は、「かわいそうだ」と思う人のいるその場で使ってはいけないんだと思う。「かわいそう」という言葉もまたその人を傷つける。 同じように、「〜さんひいてるじゃん」という言い方も、その「ひいてる」ように見える人のいるその場で…

陰謀論はどうしてこんなに流行るのか

政権批判の材料として、しばしば「陰謀論」(conspiracy theory)が語られる。 現政権は〜しようとしているのではないか?(主観的な確率20%) →〜しようとしているしたら◯◯や△△にも合点がいく(勝手に確率50%を上回る) →◯◯や△△は現政権が〜しようと…